「会計ソフト 無料」で探すと、出納帳と収支計算書の話が並びます。町内会の会計担当が会議の前日に困っているのは、たいていそこではありません。「田中さん宅は払ったか」です。
収入と支出を書く道具と、世帯ごとの会費を追う道具は、別の仕事です。この記事は、どちらが自分の団体の仕事かを見るための選び方です。どれが一番か、という順位は付けません。

この記事の内容
- 会計ソフトが解くこと、解かないこと
- Excelのままでよいとき
- 苦しくなる合図
- 道具の種類
- どれを選ぶときも聞くこと
- チーム会計が向いている仕事
- よくある疑問
1. 会計ソフトが解くこと、解かないこと
会計ソフトの仕事は、だいたいこれです。日付と金額を入れる。科目で分ける。年度の終わりに、収支計算書や出納帳を出す。総会の資料になります。それは大事です。町内会にも要ります。
町内会の会計には、仕事が二つあります。
帳簿の仕事
いくら入ったか、いくら出たか。総会に出す収支計算書。
会費の仕事
誰が払ったか、まだ誰か。通帳の一行がどの家か。
⚠️ よくあるすれ違い
帳簿には「会費収入 3,000円」と一行で足ります。班長と会計の間で揉めるのは、その3,000円が誰のものかです。会計ソフトを入れても、そこが別ノートのままなら、総会前の数え直しは残ります。
2. Excelのままでよいとき
無理にソフトへ移さなくてよい団体もあります。
顔と名前が一致する
世帯が少なく、班長も会計も、誰が払ったかをその場で言える。
担当がほぼ1人
ファイルの場所が分かっていて、毎年同じ人が触っている。
現金が中心
未収も名簿の一列で足りる。振り込みの略名で迷わない。
表が壊れていない
計算式が生きていて、総会の紙が毎年同じ形で出せる。
💡 無理に移さない
この条件なら、Excelは十分です。市や県のテンプレートでも構いません。壊れていない表を、流行りで捨てる必要はありません。すでに表が苦しい人向けの手順は、Excelからオンラインに移行する方法にあります。

3. 苦しくなる合図
ソフトが要るかどうかより、「会費の仕事が帳簿からこぼれているか」を見てください。
総会の前日に数え直す
名簿と通帳を突き合わせて、毎年同じ作業になる。
「うちは払った」と言われる
通帳の略名と家が結びつかない。
現金とノートが合わない
班長が集めた分と、会計の記録があとからずれる。
本当のExcelが前任のPCにある
渡されたコピーでは、式も列の意味も分からない。実ファイルは家のパソコンのまま。
会費の種類が増えた
年会費のほかに祭りや修繕があり、表が分かれる。
担当がよく代わる
ノートやUSBが家に残り、数字ごと途切れる。
出納帳だけ新しいソフトに移しても、この合図は消えません。消えるのは、人と入金を同じ場所で照合できるときです。
担当が代わるたびにファイルが消える、または前任のパソコンに残る、はソフト選びより先の問題です。クラウドなら、新しい人を招待すれば同じ帳簿を続けられます。手順は役員・会計担当の引き継ぎにまとめています。同じ団体名で新規登録しても、今ある数字には入れません。
4. 道具の種類
優劣ではありません。団体の仕事に合うかどうかです。
ノート
その場で書ける。探すと消える。担当が家に持って帰りがちです。
Excel・配布テンプレ
列を自由に足せる。計算式とファイルの場所が、人に付きます。
パソコンに入れるソフト
その一台で完結します。総会の帳票が出るものもあります。会費の未収まで持つかは、ソフトによります。
ブラウザのクラウド
招待すれば、会長と会計が同じ数字を見られます。出納だけのものも、会費の照合まで持つものもあります。
💡 同じ種類の無料クラウドについて
出納と帳票だけが仕事のものもあります。それで足りる団体は、それで大丈夫です。見るべきは料金表より、会費の「誰が」まで持つかです。
5. どれを選ぶときも聞くこと
会社名より、総会と引き継ぎで困らないかを聞いてください。
総会の紙はどう出すか
自分で表を組むのか、画面から出るのか。
担当が変わったら、データは残るか
USBを探すのか、新しい人を招待するだけで同じ帳簿が見えるのか。
データはどこにあり、取り出せるか
一台のパソコンか、日本国内のサーバーか。CSVなどで出せるか。
会費の「まだ」はどこか
その道具の中か、別の名簿か。
通帳の一行を人へ結びつけられるか
入ったお金の記録と、世帯の未収が同じ場所で合うか。
確定申告や複式が要るか
町内会は、ふつう要りません。事業向けの道具は重すぎることが多いです。
担当交代で数字を途切れさせない手順は、役員・会計担当の引き継ぎです。預け先の置き場所・バックアップ・取り出しやすさは、クラウド会計のデータプライバシーと、セキュリティとデータ保護で確認できます。名簿や領収書の扱い方は、自治会の会計担当者が知っておきたい個人情報の基本です。
6. チーム会計が向いている仕事
チーム会計は、地域の団体向けの帳簿です。名前の「チーム」は、サッカー部だけではありません。会費を払うひとまとまり(世帯、選手、部員)です。
ほかの会計ソフトと役割が分かれるのは、ここです。帳簿に加えて、人と入金を結びつける画面があります。名簿の人が並び、まだ払っていない金額がその横に出ます。

出納と帳票
収入・支出・振替を入れて、総会用の帳票を出します。借方・貸方は使いません。
会費の照合
今年払う人の名簿、会費の種類、まだ払っていない人、現金の記録、通帳入金との結びつけが、同じ組織の画面にあります。
集金代行ではない
カード決済や振込代行はありません。届いたお金を、人へ結びつける仕事です。
💡 画面の歩き方
会費の照合は会費管理の案内です。前期の書類から科目名を揃える話はAIが勘定科目を引き継ぐです。初めて帳簿を打つ人は収支明細書の入力ガイドから始められます。町内会向けの画面の見取りは町内会・自治会のページです。
⚠️ 向いていないこともあります
税理士向けの複式や、青色申告が目的の団体。管理会社がすでに全部持っている大規模な管理組合。会費の未収がなく、出納と帳票だけで足りて、今のやり方に困っていない団体。
7. よくある疑問
Excelはもう使わない方がいいですか?▾
いいえ。世帯が少なく、担当が1人で、会費の未収も名簿で追えるなら、Excelのままで構いません。壊れていない表を、無理に移す必要はありません。
会計ソフトなら、会費の「まだ」も分かりますか?▾
分かりません。多くの会計ソフトは、入ったお金と出たお金を記録します。「田中さん宅が年会費を払ったか」は、別の表か頭の中に残りがちです。
チーム会計は、会費をカードなどで集金しますか?▾
しません。カード決済や振込代行はありません。届いた現金や通帳の入金を、まだ払っていない人へ結びつける画面です。
弥生やfreeeと比べてどうですか?▾
目的が違います。事業の確定申告や複式簿記が要る団体向けです。町内会の総会資料と会費の未収が仕事なら、そちらは道具が重すぎることが多いです。
すでに別の無料クラウドを使っています。乗り換えるべきですか?▾
帳簿が回り、会費も別のやり方で困っていなければ、そのままで大丈夫です。会費の「誰がまだか」と通帳の行が毎年ぶつかるなら、会費管理があるかを見てください。
会計担当が変わったら、今の数字は残りますか?▾
USBや前任のパソコンにだけある表は、人ごと途切れます。クラウドなら、新しい担当を招待すれば同じ帳簿を続けられます。同じ団体名で新規登録しても、今あるデータには入れません。手順は「役員・会計担当の引き継ぎ」にあります。